小学生の算数と中学生の数学における学習の重点はだいぶ異なるので分けて整理します。
小学生に教えることのうち最も大切なのはテクニックではなく、現実の世界と言葉、図表、数式を結びつけることです。また、普段から考えるくせを付けなければいけません。
なるべく結論を教えるのではなく、生徒が自ら解法を導けるよう対話のある授業を行う必要があります。また式だけで説明を構成せず、図や表を用いて説明することで、生徒たちもまねて自らいろいろ考えていくようになるはずです。
一方中学生ではこれらの基礎の上に応用力が求められます。小学生の算数を道具だとすれば、中学数学はこれらの道具を組み合わせて問題解決に向かうために応用するのです。ですから、この応用力の訓練を十分に行えるようにするためには、まず道具にあたるところを当たり前のようにすばやく使える状態に持って行く必要があります。そこで、計算について暗算と筆算のバランスを取る事、説明のための途中式と計算に必要な途中式の違いを明らかにすること、相似における比例式や三平方の計算において必要以上に方程式に頼らないこと、平方根を簡単にする時に因数分解に頼らないことなどを留意してください。その上で普段から公立入試レベルの問題に取り組むようにします。
算数・数学には計算ミスという言葉が有り、これを無くしていかなければいけません。しかしどのような間違いをしたか教師が指摘する、あるいは生徒自ら分析することだけでは無くなりません。ミスをしないよう生徒が留意しながら問題に取り組む姿勢を付けることが必要です。その過程を具現化するために、授業後あるいは授業中、『学習ノート』にその留意点を自分で書かせるくせを付けています。
一方通行の授業ではなく双方向の授業を理想としています。従来の問題を解くだけの力を育てるような指導は行わず、その生徒が学力をどう生かせるかを考え授業の組み立てを行います。問いかけを多く発する授業を行うために、自分の意見を言える授業に組み立てます。また、わからないことはわからないといえる環境をつくり、生徒が納得するまで指導できるようにします。自分の意見や疑問点を言えてこそ、本当の学習力が身に付くと考えています。
理科は暗記するだけでは問題を解くことができず、しっかり事柄の理解をすることが大切です。しかし、新しく聞く用語を並べ立てても説明しても、生徒の理解は追いつくことができません。
學志館ではオリジナルの暗記ノートを利用して、絵や写真と結びつけながら、また、なるべく日常生活と結びつけながら用語や現象の説明をします。日常生活と結びつけることで、生徒は多くの質問をするようになります。質問をすることで、生徒は理解を深めていきます。また、板書をひたすた書き写させる授業は行っていません。ノートをとることに一生懸命になり理解に集中させないことを避けるためと、説明と演習に時間を十分とりたいためです。理科は問題を解いて間違えてみて、初めて理解することが多いのです。
説明が終わると、最初は暗記ノートを見ながら問題を解いてみます。(覚えが早い生徒はこの時点で何も見ずに解きます。)理解が十分できていれば解答を探し出すことができます。そうなればあとは覚えさえすればよく、暗記ノートによる自宅学習をすることができます。計算問題やグラフ読み取り・作図などについてはテキストとは別にプリントを使用し、繰り返し演習を行います。
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