學志館

2021.09.22

読書の秋「劇場」

教育

国語担当石川です。
先日、自由律俳句の尾崎放哉のことをとりあげましたが、放哉の死の前8ヶ月を書いた吉村昭さんの「海も暮れきる」読了。
まあ、尾崎放哉はひどい、まさに人間失格といってもいいくらいの人でした。(⌒-⌒; )。しかし、数々の句の強烈なパワーはすごかった。壮絶な病の苦しみにある自分を突き放してみながらも心の叫びのようなものが聞こえてくるようでした。それで人間失格という言葉から思いついて太宰治を読み出しました。これについてはまた後日。
ところで、今日の題名にしたのですが、たまたまみたビデオで又吉直樹さんの「劇場」
「花火」の方は個人的にはちょっと染みてこなかったのですが、「劇場」はよかった。まさに、これも人間失格のような男とそんな男の全てをリスペクトし、愛し、包んでくれていた女性との切ない話でしたが、感情のぐちゃぐちゃな乱れに対する端々の表現が、独特で新鮮でよかったです。
小説も読んでみようと思いました。

しかし、尾崎放哉にしろ、太宰治にしろ、「劇場」の主人にしろなにかを突き詰めたいという思いが強すぎて、他のことは全く頭にないというある意味純粋で不器用な生き方は、一般人には分別というものが働いてそうそう誰しもできません。ではあるけれど、どこか憧れもあるのでしょうか、惹かれますね(^^)

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