學志館

2022.07.25

シュードモナス・フルオレセンス 氷核活性細菌

教育

シュードモナス・フルオレセンス 氷核活性細菌  2022.7.25

夏期講習が始まりました!
塾の中は快適ですが、塾に着くまでが暑くて大変です!

そんな中、夏期講習のテキストにフィギュアスケートの題材などが出て来ると、ほっとします。例え中味は熱い友情を扱っていても、気持ちだけは、氷の上で涼しくなれそうな気がします。

中3の夏期テキストにも涼しげな内容が載っています。
それがseudomonas fluorescens KUIN-1 氷核活性細菌です。
毎年楽しみにしている題材です。音読させると生徒は大体噛みます。
今年も噛みました(笑)

氷核活性細菌は、自然界に存在していて基本的には無害なのですが、
水を本来凍る温度(-5℃)より高い温度で凍らせてしまうことができます。
凍ってしまうとそれ以上温度は下がりませんから、自分の周りを凍らせることによって、
細菌自身を低温から守っているのです。
氷結活性細菌が農作物や果実などの上に存在すると、大して寒くないのに凍り付いてしまい、霜害を引き起こす原因になります。農家が秋の霜害を防ぐためには、前もって細菌を除去すれは良いという事が分かってきました。

高い温度で凍結するという事は、有効な使い道もあります。
氷結は細菌が作り出すたんぱく質や糖に由来するので、菌を殺しても菌が存在した水分は高めの温度(0℃前後)で凍り付きます。
というわけで、気温が0℃前後でも、殺菌して粉にした氷核細菌を混ぜた水をホースから霧のように噴き出せば、容易に雪を降らせることができるのです。この技術は人工降雪機に導入されていて、雪の少ないスキー場では必須のツールです。
いくら害がなくても菌が生きている状態でその辺にまかれたら、うれしくありませんよね。
殺菌してあると、食品にも応用できます。最近「溶けにくいアイス」を店頭でよく見かけるようになりましたが、技術が応用されているという事でしょうか。保冷剤にもいいかもしれません。

少しは涼しくなりましたでしょうか。
「国語を教えていると色々な知識が必要になる」パート2でした。

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