最近急に冷え込んできましたね。
そろそろどこからかこんな会話が聞こえてきそうです…
さむいね。
ああさむいね。
虫がないてるね。
ああ虫がないてるね。
もうすぐ土の中だね。
土の中はいやだね。
痩せたね。
君もずゐぶん痩せたね。
どこがこんなに切ないんだらうね。
腹だらうかね。
腹とつたら死ぬだらうね。
死にたくはないね。
さむいね。
ああ虫がないてるね。
この詩は草野心平、二匹の蛙の対話を描いた詩です。
以前、教科書にも採用されていたと思います。
冬眠前、二匹の蛙の繰り返しの語りによる、どこかとぼけた、
けれどちょっぴり悲しい切ない様子が感じられます。
どこがこんなに切ないんだらうね。
徐々に体温が下がり、冬眠に入っていく蛙の切なさに比べれば、
人間が感じる切なさなんか大したことないかもしれませんが、
秋が来て、気温の変化を感じるようになると、やっぱりちょっと切なくなりませんか。
だからかえってハロウィンやらお祭りやらで騒ぐのかも?
おなかが空くとおなかも切ないですしね。
「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ
これは俵万智さんの有名な短歌ですが、この『秋の夜の会話』を踏まえて
詠まれたものではないかと言われています。
そろそろ冬支度も始めなければ…
国語担当平野でした。
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